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ハーグ条約における子の常居所地国

ハーグ条約における子の常居所地国

公開日
2024/09/04 
Q&A

ハーグ条約Q&A

ハーグ条約に関する質問

ハーグ条約における子の常居所地国とは何ですか。

経験豊富な国際弁護士からの回答

子の常居所地国とは、子が連れ去り、または、留置の直前に「常居所」を有していた国をいいます。そして、常居所とは、一般に「人が常時居住する場所で、単なる居所とは異なり、相当期間にわたって居住する場所」であると考えられています。
もっとも、子の常居所地国は、必ずしも子が連れ去りの直前に住んでいた住所地の国を意味するものではなく、常居所地国がどこであるかの判断は容易ではありません。例えば、日本人夫婦が生まれたばかりの子を連れてアメリカに移住したところ、半年ほどで妻が夫の承諾を得ずに子を日本に連れて帰ってきてしまったというような事案を想定した場合、子が生まれたばかりでアメリカ社会との結びつきがほとんどないことを考えると、アメリカが常居所地国と言えるのかは疑問が残ります。
この点、常居所地国の判断にあたっては、親の意思を中心に決定する立場、子と居住地の結びつきや子の意思を中心に決定する立場、折衷的な立場などがあるとされています。日本の裁判では、居住目的、居住期間、居住状況等を総合的に考慮し判断するという内容の判断を出した例が存在します

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