養育費
国際離婚の場合でも、子どもを育てている親は、他方の親に対して養育費を請求することが出来ます。
養育費を決めるにあたり、どこの国の法律が適用されるのか
養育費については、「扶養義務の準拠法に関する法律」により適用される法律を決めます。
- 原則として、子どもが住んでいる国の法律が適用されることとなります。
- もっとも、子どもが住んでいる国の法律では、養育費をもらえない場合は当事者の共通する本国法が適用されます。
- さらに、子どもが住んでいる国の法律でも、当事者の共通する本国法でも、養育費をもらえないときは、日本法が適用されます。
親権
親権を決めるにあたり、どこの国の法律が適用されるのか
海外においては、離婚後の共同親権を定めている国も多く、どの国の法律が適用されるかで、親権の定め方が大きく変わることになります。
- 子の本国法が父または母の本国法がと同じ場合
この場合には、子の本国法が適用されることとなります。
なお、子どもが二重国籍者である場合には、①その国籍国に住んでいる場合には、その国の法律が本国法とされます。②一方、いずれの国籍国にも住んでいない場合には、最も密接に関係する国の法律が本国法となります(法の適用に関する通則法38条1項)。 - 1以外の場合
子どもが住んでいる国の法律が適用されることとなります。
なお、今後日本においても共同親権が導入される見込みですので、法改正の状況を注視していく必要があります。
ハーグ条約について
国際離婚する際には、いわゆる「ハーグ条約」に注意する必要があります。ハーグ条約では、16歳未満の子を常居所地から国外に連れ出した場合、監護権を侵害された親が子を返還するよう申し立てることが認められています。日本もハーグ条約の締約国ですから、国際離婚する際には、この条約の内容も踏まえて手続を進める必要があります。詳しくは、「ハーグ条約」のページをご覧ください。